変な大人に会いに行け

質問ガチ勢です

一般人に複数恋愛に関する悩み相談をすると陳腐な回答が返ってくるのか検証してみた

たそ: 質問ガチ勢,悩んだときは変な大人に会いに行けがポリシー。心理学・医学専攻の大学もう12年目になる。

 

恩を血で洗う

以前,複数恋愛に関して,悩み相談のプロに質問しようとしたら,二言喋ったところで打ち切られた話を記事に書いた。今思い出しても,実に見事な鮮やかさで斬られている。

tasogare0413.hatenablog.com

実は,このときの熱が冷めやらない内に,もうひとつ衝動的な行動を私はとっていた。相談のプロではなく,一般人に某悩み相談サイトで同じ内容を相談したら,相談のプロとどのくらい異なる回答が返ってくるのだろうか。なんとまあ意地の悪い企みである。助けを求める相談内容を投稿しておきながら (しかも,投稿者は既に相談のプロに回答を貰ってスッキリしている),それに応じてくれた人がいた場合,その回答の陳腐さを笑ってやろうと上から目線で待ち構えているという酷い思惑である。

別の側面としては,「多分一般的な世論,つまり私に対する否定的な意見が出てきて,また私は傷つくよなあ。自ら傷つきに行くよなあ。しかも,相談のプロに回答して頂いて回復している状態で,次は自分が大丈夫で居られるか試すために,わざとちょっと傷つきに行くわけだから,さながらインターネット・ファッション・リスカだなあ。」なんていうことも考えていた。そう易々とは情緒が安定してくれない。

地雷,投下

稀有なこのブログの読者の方の中には,私が以前の記事中で,相談のプロに最後まで相談文を述べていたら何を質問したかったのか気になる方も,もしかしたら居るのかもしれない (その相談文こそが陳腐であるから)。副次的に,今回の最低最悪な試みはその要望に応えることになる。

以下,私が某悩み相談サイトに投稿した文章の概要である。

人を好きでいることで迷惑をかけていると感じてしまい辛いです。
私は複数の人を並行に同等に好きになることができる,いわゆる複数恋愛者です。さらにバイセクシャルです。

私が困っていることは,私は,一度好きになった人に対する気持ちが薄れるということがあまりなく,人を想い続けることです。私が好きになった人たちは,今ではみんな自分の生活・家庭・産まれた子どもを優先しています。それに対し,私は,基本的には,みんな元気で生きていたらいいと願う反面で,みんな私より大事なものができて,私から関心をなくし,私を忘れていくのだと寂しくなります。

このような話を他者にすると,「複数の人を好きになる方が,先にその人たちを傷つけたのではないか」という意見を頂いたことがありショックを受けました。私が複数の人を好きになり,みんなをずっと好きなままでいることはみんなにとって迷惑なのだと思いました。

私についての率直な感想を教えてください。

以上である。実際はもっと長いし,冗長な情報が入っていたが,改めて校正するとこのような感じになった。

さて,この相談文に対し陳腐な回答は返ってくるのだろうか,そもそも果たして回答はひとつでもつくのだろうか。

意外に真面目な回答者の方々を拾い上げた

この相談文は,長い。長い上に情報量が多い。すっかり失念していたが,長文を文章整理しながら読解できる人間というのは,真面目な方が多いのである。つまり,先の相談文を見て,「浮気はダメだろ」と陳腐に一言だけ書き込むような人は,この長文に気力が削がれた可能性があった。後から思えば,そう考えざるを得ないほどに,真面目な回答者の方に数人回答して頂けたのである。

以下,感謝に基づき,頂いた回答を要約して抜粋する。

  • 何年も連絡を取っていなくても,いつまでも忘れない絆みたいなものはある
  • 好きでいるのは勝手,忘れるのも勝手。自分の中に留めておいた方が社会生活上ではスムーズ
  • 自分の中に想いを留めるなら迷惑ではない,結婚が絡まないならもっと迷惑ではない,そういう人がいてもいいと思う
  • 私も複数恋愛者です
  • ポリアモリーっていうのでしょうか,そのうちポリアモリーも理解される世の中になるといいですね

私の想定を裏切り,案外優しい回答が多かった。その内ひとりの方は,自分も同じ性的指向だと共感して下さり (この方は自分の恋愛生活パターンも教えて下さった),またひとりの方は,専門用語であるポリアモリーという言葉に自分で行き着いて下さった。後者の方とは,リプライでやりとりがしばらく続くのだが,「私の悩み = 100%ポリアモリーについての悩み」のような認識をされているような気がしたので,私は以下のような返信もしている。

この悩みには,性的マイノリティの要素はあるのですが,それだけではなく,私特有の悩みどころがあるような気がしています。
それを含めて,しんどくないところに落とし込めたらと思っています。

相談のプロが一瞬で私に対して抱いた先入観に基づいて,私が自分自身を説明するならば,①「私は,複数恋愛と博士論文とでエネルギーが枯渇しており,ネガティブなことを考えやすい状態に陥っている」のである。その中で,②「人を好きでいることが人にとって迷惑になっていると感じてしんどい」と思ってしまうのだから,何が辛いポイントかというと,「複数恋愛」ではなくて③「自分は迷惑をかけていると感じてしんどい」という箇所であることになる。それゆえに,相談のプロの回答は「寝なさい,体力づくりです」だったのだと私は理解している。

以下は,リプライでやりとりしていた回答者の方の最終的なコメントである (相談投稿の掲載期間には期限があった)。

人を好きになるのは悪い事ではない,そこまで思いつめなくても…

このコメントを拝見したとき,私は,「ああ,私の一番困っているポイントに辿り着いてもらえたなあ…」と感慨深くなった。この相談サイトでは最後に相談者の統括コメントを残すことができるようになっていたので,私は以下のようなコメントを残した。

丁寧な対話を有難うございました。
最終的に,相談文のなかで私が最も問いかけたかった「人を好きになることが迷惑だと思ってしまうことについてどう思うか」というところまで議論ができて嬉しかったです。
結論としては,「そこまで思いつめなくても」いいように,いつか楽になることをのんびり願うことにします。

のんびり願うというか,実際は寝るわけだが (最近では5,6時間は寝ている)。

社会と自分とをなんとか折り合いをつけようとしているという見解

私の知人のなかに,私の複数恋愛について,私の抱えるしんどさについて,鮮やかに言い表してくれた人がもうひとりいる。その人のことを仮称として,小説家Yと呼ぶ。小説家Y曰く,私は「社会から色んな声があがっているなかで全部をうまく取り込もうとしている」とのことで,「音楽的に言えば『ポリフォニー』的」だと言うのである。

ポリフォニー (polyphony) を,英辞郎の英和辞書で引いてみると,以下の説明がされている。

多声音楽。複数の異なる声部が、それぞれ異なるピッチとリズムを持つ旋律を奏でる音楽。旋律が一つしかないモノフォニー(monophony)や、主旋律と伴奏の和音から成る(旋律優位の)ホモフォニー(homophony)と区別される。

英辞郎

なんだか,言語学者ミハイル・バフチンを思い出す構造である。

ミハイル・バフチンは,「異質な他者と向き合う社会の難しさ」について,異質な他者本人と社会に相当する他者たちは,「その世界を認識するのは唯一の主体としての自己であり,他の誰にも共有することができない」と述べているらしい。「本人と他者が,全く同じ時空を認識することはありえないのだから,認識が一致することはありえない」,そういう意味で,「本人と他者は絶対にわかりあえない。そこから語り (ダイアローグ) は始まる」ということらしい。ちょっと,いろんなところからの孫引きなので,もう一度関連文献を読みたいところである。すみません。

小説家Yの話に戻ろう。小説家Yは,私が,社会のなかであがっている色んな声をうまく取り込んで自分と社会の折り合いをつけようとしているように見えると話した。また,「交際 (恋愛) に対して、社会通念的に迷惑/迷惑でないという基準で判断されることが多いのは興味深い」「そもそも人と人との関係性において迷惑をかけないとは何かと考えてしまう」とも述べた。その上で,「そのため,迷惑/迷惑でないという軸に許容できる/許容できないという軸を加えて4つに分類にすると、少し整理できるような気がする」と新たな意見を私に与えたのだった。

その意見による問題の再構成は私に多分に衝撃を与えた。小説家Yの詳細な説明を聞いて,私の直感的な印象による2×2のパターンの分類を以下に図示してみた。

迷惑と許容の二次元マトリックス1

2 (迷惑に感じる・感じない) ×2 (許容できる・できない) でパターンを分類すると,A (異質な他者本人・私) に対するB (社会に相当する他者) の態度はパターン①―④に分かれると考えた。あくまでもこの図は私の直感的な印象による分類だが,驚くことにパターン②のみでしか,Aの行動は問題行動でなくなる道は残らなかったのである。

つまり,A (異質な他者本人・私) の行動がB (社会に相当する他者) にとって問題になるパターンが多い。A (異質な他者本人・私) はB (社会に相当する他者)に対する距離感を誤るとトラブルになるリスクが高いといえる。事前情報から,B (社会に相当する他者)がどの態度をとるか予測することができれば,距離感を早急に選択することができ,トラブル回避に繋がる可能性がある… という,ロジックまで展開した。現実的にざっくり言うと,まあ,こういうパターンがありそうで,今対応している相手がどのパターンになりそうか審美眼を磨いてわかるようになると,お互い傷つかなくて済むよね… という落としどころである。是非その審美眼を磨きたい。

インターネットのなかでも五感を研ぎ澄ます

いきなりこんな図が私から送り付けられた小説家Yは私との距離感を改めようか迷ったかもしれないが,行動としては快く「良い刺激になった,たまげた」と仰られた。また,小説家Yの統括のひとつとして,以下のような再構成も述べていた。

「いずれにせよ,他者と関わるというのは肉体的にも精神的にも相手に干渉することが前提となるはず。(それにも関わらず,)『迷惑をかける』ことが問題の中心となるのは,自己を肥大しすぎて相手との関係性が透明化されてしまった状態なのではないか。」

私はこれについて,自分がやらかしてしまった・相手に負担をかけてしまった感が肥大化して,自分に対してばかり目がいく視野狭窄が起きており,自分に対して重きを置き過ぎて,相手に重きを置いていないのではないか,相手のことが最早見えていないのではないか,というようなことを指しているのだと認識した。

これに基づいて,そのようなことが起きている自分に何か変化を与えるのであれば,「肉体的にも精神的にも相手に干渉していることをもっと感じてみる」と,視野が広がり,感覚が広がり,ウエイトのバランスがとれて,相手のことが見えてくる,自分のしんどい感じが薄まる可能性があるのかなと今のところ思っている。

今回の発端である,一般人に複数恋愛の悩み相談をしてみるという試みは,社会に相当する他者のなかにも必ずしも陳腐で否定的なことを言ってくる人だけでは案外ないというか,けっこうみんな親切ということがわかり,それこそが,私にとって,「相手に干渉していることをもっと感じてみる」体験になったかもしれないなと思うところである。対話できる人との対話は大事である。

さて,当初,インターネット・ファッション・リスカとか抜かしていた今回の試みだったが,結果的に自分の痛みではなく,他者に対する感覚を研ぎ澄ますという体験が得られた。関わって下さった方々に感謝と,諸事情あり無断で発言を引用してしまった謝罪を五体投地で捧げたい。

まとめ

一般人に複数恋愛について悩み相談をすると陳腐な回答が返ってくるのか?

陳腐でもない。対話できる人と対話することはけっこういい体験になる。

 

極めてローカルで隠れ家的な場所にてビブリオバトルに初参加したら優勝した上にYOUTUBEチャンネルまで作ってしまった話

たそ: 質問ガチ勢,悩んだときは変な大人に会いに行けがポリシー。心理学・医学専攻の大学もう12年目になる。

ビブリオバトルとは

Wikipediaによると,公式ルールは以下の通りである。

  1. 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
  2. 順番に1人5分間で本を紹介する。
  3. それぞれの発表の後に、参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分間行う。
  4. 全ての発表が終了した後に、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員が1人1票で行い、最多票を集めた本をチャンプ本とする。

ビブリオバトル - Wikipedia

つまり,面白い本を1冊持参し,いかにその本が面白いかについての短時間のプレゼンをするのである。

お邪魔してきました

最近,知的文化系大人のサロンと言えるカフェアンドバーを見つけてしまった。私は住居地地方都市。このような場所をコロナ渦で3年ほど探しており,ようやく出会えたのである。マスターにビブリオバトルのイベントの開催を教えて頂き,飛びつくように初参加をキメてきた。

そして,結果的に,なんと優勝まで頂いてしまったのであった。

参加者は9名。大人のサロンであるので,案の定周りはお姉さま方お兄さま方であった。そんな参加者たちに私がどの本を紹介したかと言うと…

鷲田清一「じぶん・この不思議な存在」である。

実は緊張して8回ほど2―5分の動画を撮影しながらプレゼンの練習をしていた。途中からはsnowでノリノリで自分の顔を縮小加工し,盛り盛りの動画さえ作ってしまった。もうここまできたらやってしまえ。

YOUTUBEチャンネル作りました

投稿したのである。ビブリオバトル本番に向けてプレゼン練習した動画をそのままコンテンツとしてアップロードしてしまったのである。

そして,snowによる顔面加工とトーク内容に注力した結果,音響機材のことなどすっかり忘れており,音声が極めて聞き取りにくいほど小さくなってしまったのである。

なんだが本末転倒だが,第1投下動画なのでプロトタイプと思って多めに見てほしい。

そんなわけで,私がどのように話を展開したか気になる方は是非聴力の限界に挑んで動画をご覧頂きたい。ご覧頂いたらおわかり頂けると思うが,私はゆとり教育の話を導入としてこの本を紹介している。世代的に主観的共感ができないはずの,参加者のお姉さま方お兄さま方に,よくこの話がウケたと自分でも思う。4票入れて下さった参加の者の方には感謝を申し上げたい。

それでは,またひとつデジタルタトゥーを刻んだ私を引き続き生暖かい目で見て頂ければ幸いである。

 

【晴れても雨でも本を読む1】鷲田清一「じぶん・この不思議な存在」を紹介します。 - YouTube

 

質問ガチ勢が質問まで辿り着けなかった話 ―親愛なるレジェンド先生へ―

たそ: 質問ガチ勢,悩んだときは変な大人に会いに行けがポリシー。心理学・医学専攻の大学もう12年目になる。

 

経緯

2023年1月末日,某YOUTUBE界隈のコミュニティでZOOMイベントが開催され,私は初参加を果たしてきた。イベントの趣旨はお悩み相談または質問コーナーであった。
このイベントのホストがどんな人かというと,人間を類型論で分類して見定める某学問領域のエキスパートである。その類型論について門外漢の私が説明すると,主観的な分類でありながら,主観的な文脈を超えた軸で以って客観的に相手の全てをモデルに当て嵌めて考えることができるらしい。
この学問領域では,エキスパートの大御所先生は何かしら癖があることが多いと思う。個としての特徴が尖り過ぎて,何か体系的な領域の言葉を持ちながら,先生が仰られることは,その先生独自の学問になっているようなイメージがあると私は思う。傍から形容することを恐れずに言うと,それに師事する学生は教科書的な理解を極めようとしながら,一旦は師と自分の感覚を同一化させてみた後,自分自身の価値観を揺るがす体験を経て,また独自に学問を理解・応用していくプロセスがあるような気がする。
それはさておき,今回のホストは,そんな偏見的な私のイメージに漏れず,尖ったエキスパートの生けるレジェンドであった。

このレジェンドが,数ある投稿動画のなかのひとつで,こう話していた記憶がある。「僕は最初に物凄い先入観をもって仮説を立てて人を見ていく」。
まさか当時はレジェンドと自分が対話することが叶うとはつゆほども思わなかったながら,衝動的に私は望んだ。「先入観,もたれてえ。」このレジェンドにとって,私はどんな人間に映るのか気になった。
私自身,自分が大概の人間より情報量の多い特徴をもっている自覚はある。最近まで,私は自分のことを,他人から「変な人」として笑ってもらえる程度だと思っていた。しかし,私の身の周りでは,近年なかなかに笑えない事態が生じている。人間関係のトラブルが生じて複数の他者に影響を与えた出来事が起きた (e.g. 離婚)。私の価値観を受け入れることができないと複数の人から直接表明されたこともあった。つまり,私は少なからず社会的に望ましくない側面をもっていることが明らかになってしまった。
人を見定めるプロであるレジェンドなら,社会的に望ましくない要素に注目して私を取り上げた際,こいつは一体どういう人間だと見抜くのか。そして,本人に対し面と向かって,どう鮮やかにそれを説明するのかが気になった。
レジェンドがホストのZOOMイベントの開催を知った私は,実を言うと申し込み手続きより先に質問文の原稿を書き始めた。何度か推敲し,話の軸をまとめたつもりだった。なんだか,小説のネタでも書いてるような気がして,そのWordファイルの名前は「親愛なる〇〇先生へ」としていた。
イベント当日,満を持してZOOMのミーティングが始まった。早速数名の先駆者たちが相談していく。遂に私が当てられた。原稿とノートテイクの準備は既に済んでいる。

 

いざ相談

相談内容を話すことを促され,マイクとカメラをONにした。
「えっと…,自分が人を好きでいることで,人に迷惑をかけていると感じてしまって,とてもしんどいときがあります。先生のご感想をお聞かせ頂きたいのですが…」
「今起きた?」
え?

私が一瞬混乱していると,レジェンドが続ける。
「感想が聞きたい… ああ,今からもう少し詳しく説明してくれるのね。はい,どうぞ。」

「はい,えっと…,私はおそらくマイナーな方で,複数の人を並行に同等に好きになることができる,いわゆる複数恋愛者みたいな感じです。さらにバイセクシャルでもあるのですが…」
「何人くらい好きなんですか?」
レジェンドは相談途中でガンガンコメントを入れてくるようだ。私の発言は,まだ質問部分には到底辿り着かず,自分の状況を説明する情報の冒頭しか開示できていない。

「…5人は超えてます。」
「すごいね! 5人と恋愛してたら,普通はエネルギーが要って死にそうになりますよ。相手がひとりでも,恋愛なんてものは命懸けでやることがあるのに。」
「はい,それで… あの…」
「寝なさい。」
はい?
疲労が顔に出てる。この画質が悪いZOOMの画面でもそれがわかる。あなたは寝なさい。まずは,体力づくりです。あなたは身体がガチガチに体力があるようには見えないし。もし僕があなたの立場で5人と恋愛してたら,体力が続かないからずっと寝てます。寝なさい。毎日何時間寝てる?」
用意していた相談文の1/5の情報も話せないまま,私が想定していた議論とは違う方向にどんどん話が進んでいく。私はその場の流れを自分でコントロールすることを既に諦めた。

「…日によります。」
「そりゃそうだろうけど,大体何時間ですか?」
「えっと…,実は今博士論文を書いてて,卒業するかしないかというところで,学業でもかなり睡眠時間が左右されるので…,最近は4時間くらいです。」
「博士論文書いてるの?すごい,博士論文書くのも普通は死にそうになりますよ。博士論文書きながら5人のことも愛してたら,絶対にエネルギーが足りなくなる。毎日6時間は寝なさい。あなたは人に尽くすほうですか,尽くされるほうですか?」
「どちらかと言うと尽くすほうです。」
「なおさらです。その5人のなかには,嫉妬でものすごい感情をぶつけてきて大変な人もいるかもしれない (※現にいた。最終的にその影響もあり私は離婚した)。それで,あなたも若いからいいけど,30歳とか40歳とかになったら,ものすごく疲れますよ (※今年30歳になる)。それで,疲れてエネルギーが低下していると,どんどんマイナスなことを考えるようになる。僕だったら,『私は今博士論文で死にそうになるくらい大変だから,あなたのことは本当に大事だし愛してるんだけど,2ヶ月くらいはそっとしておいてください』と,一番言いやすい人に言うところから始めます。博士論文を書き上げるまでは毎日6時間寝なさい。書き上げたら好きに起きてたらいいから。6時間寝て,博士論文書いて,また恋愛について悩み方が変わったら,また聞きにきなさい。」
私は笑いながら頷くしかなかった。レジェンドにはもう細かい情報開示をするまでもないと思った。私は自分でも疲れていて仕方がないと常日頃思っているし,ここでさらに,複数の仕事と学業を両立していることや,実際のところは相思相愛の関係ではなく私の一方通行な恋愛が多いことを新たに話しても,いかに自分が疲れているかという主張を私が平行線ですることになるだけで情報は増えず,それに対しレジェンドは「だから寝なさい」と言うだけだと察した。
私はお礼を述べて発言を終えた。次の悩み相談者にスタッフが進行させる。レジェンドがまた口を挟む。
「えー…,重い話の後ですが切り替えましょう。馬鹿なカウンセラーなら,『ひとりにしなさい』と言うところですが,そんな回答だとカウンセリングにならない。彼女は5人のことを本気で好きなんだから。はい,すいません,切り替えましょう。」
私はその言葉が一番嬉しく感じて,切っていたカメラを再度ONにして笑いながら頷いた。現代日本ではひとりの人を好きになることが普通で常識であることは私でもわかっている。しかし,自分が普通で常識的な存在ではなくて,それを直すことができないのだから,そこを議論しても仕方ない。そこを超えたところから話をしてくれる人は驚くほど少ないと私は感じている。レジェンドはそれを瞬時に察して,そこを超えたところから話をしてくれた。レジェンドは無論,私のような複数の人を好きになる当事者ではないだろうから,私の気持ちを当事者として理解することは絶対に不可能だ。しかし,私の状況を共有してくれた。私はそれが嬉しかった。

 

緊張が解けたあと…

このときのZOOMイベントの参加者は52名,2時間と少しの時間の間に20名弱がレジェンドに相談または質問していた。私はすっかり緊張が解け,他の参加者の相談または質問を聞いていた。全体的には,メンタルの悩みがある人,芸術系の仕事をしていて色々思うことがある人が多かった。

 

「それでは,今日答えられなかった質問もあってごめんなさい。また次の機会に訊いてもらえたら優先的に答えます。みなさん,楽しい時間を有難うございました。」
宴もたけなわ,レジェンドが締めの挨拶に入る。
みなさん,元気でまたお会いしましょう。5人を平等に愛してる人,あなたも元気でね。またどうなったか聞かせてください。」
なんと,レジェンドは最後のオチに私を挙げたのだった。私は咄嗟にカメラをONにしてペコペコ頭を下げながら両手を振って応えた。私の両手の指には,自分で揃えた指輪と好きな人たちに所以のある指輪が,現時点では合計9個嵌っている。それに気づいた人もいるのだろうか…。
このZOOMイベントは,スタッフによって事前告知があり録画されていた。レジェンドの有料会員制チャンネルにて後日閲覧できるとのことだった。録画には,質問ガチ勢であるはずの私がしどろもどろになりながら,レジェンドに鮮やかに斬られる様子が収められているはずだ。全世界に公開されるのはなかなか恥ずかしいが,興味のある方は実際にご覧になって頂ければと思う。

 

まとめ


5人以上の人を平等に好きなのですが…
A.    寝なさい。

 

論文が苦手な若手研究者が自分の研究をAIに投げてみた

https://elicit.org/

 

たそ: 質問ガチ勢,悩んだときは変な大人に会いに行けがポリシー。心理学・医学専攻の大学11年目。

 

自分の主張に説得力をつけるために本来使われるべき先人の知恵

さっき何やってたかというとさ,AIに「人間の生きる意味とはなんですか」とか英語で訊いたらさ,論文を並び替えてくれて,この世に出てる論文から,生きる意味とはとか,そのクエスチョンのアンサーに該当してると思われる文章を勝手に引っ張ってくれるという,研究の問いに対しても,答えを用意してくれるっていうサイトをやってて。
このサイトで読むべき論文もわかるし,で,この論文にこういうことが書いてあるって一覧してくれるから,なんかもう,考える葦であるということを頑張らなくてもいいような感じになってくる。人力で,人海戦術で (論文を見付けて論文を読み,論文間の繋がりを整理してということを) やろうと思って結構私は今まで辛い思いをしてきたけど,自分には向いてないと思って (私の同期はそれが得意で評価されてるし,研究者がやりたいのであれば,色々な論文から自分の言いたいことを裏付けるのは弱音を吐かずにやるべきことではある)。このサイトがあったら論文書けそうな気がしてきた。色んなね,日本語の教科書に書かれてないような答えが,論文には書いてあるんだけど,日本語じゃないから理解しにくいとか,論文って文脈があって順番に見つかるようなものじゃないから,引用とかしてあって,「あ,これ関係あるかもしれない」と思って精査しないと出会えない感じがあって (他の論文で引用されていないと論文間のストーリー性をもって読むのが難しい),自分の中では。これはすげえなと思った。

 

AIで出てくるのは本当に答えか?

コメント: 本来AIはロジカルに解を求められないところに使うもの

そこまでは人間ができるからってこと?確かにね,人間が1人の人が発想しないところとか,着目しないヒントとかね,それを見つけるのには有用だと思う (複数の論文を一人でストーリー性をもって読めない私はまさにこのサイトを使ってそれが出来ている)。でもさー,AIが絵描いてくれるサイトとか滅茶苦茶進化したじゃない,爆発的に (AIがここまでやってくれるから違う方向で正解じゃないものを作ろうということが人間の新しい課題になってきてるなと思う)。

コメント: AIはブレがあるから正解とは限らない

んー,なるほどね。そこは学習して予測立てる度に答えが違うっていう,そこは納得ですよ。だからまあ,AIの出してきた答えを踏まえて,論文を自分で書くべきだなというモチベーションはすごい高まった。むしろそこしか考えてなかったから。「自分,論文書く意味ねーじゃん」って思う人もいるのかな,このサイト使って。答え書いてあるじゃんって。
私の問いの立て方がさっきすごい良かったんだと思う多分。なんでこうなんですか?って訊きかたじゃなくって,さっきねえ,日本の教科書で出てこない,絶対出てこないこと訊いたのよ。私の研究領域だと,日本語のこの前買ったこの6千円の本だってさ,一番進んでる本だけど,こういう状況のこういう脳領域の機能を教えてくれって,なんでこのときこの脳領域は働くんだってところは,本に書いてない。絶対書いてない。そこの書いてある本をずっと探してるけど,日本語ではまだ文章になってない。 (論文に書いてあっても) 日本語じゃないと理解し難いから,全然わかんないんだけど。

www.msz.co.jp

で,その状況における,機能を知ることによって,私の研究データで,実験で出た説明をしようとしてたのね。だから,何の意味があるのって色々問いはできると思うんだよ。私の研究に,私の論文書こうと思っても。この脳領域が働くことは何の意味があるんですか。この状況でこういうことやりました,その意味はなんですか。それを問う意味はなんですか。結局どういうことなんですかとか。そこは,AIに突っ込むと何かしら出てくるけど,私の論文の問いじゃないよね,答えではない (あくまで肉付けである)。そこは私がやる。

 

OK, AI 結論は自分で書いたから,論文の形にするのを手伝って

私の研究データを裏付ける,論文を今探してて,こういう状況でそういうものが何の意味があるんだ,書かれているものを教えてっていうことをさっき入力したら,ばーっと出てきた。全然知らん論文ばっかやあと思って,これ読みゃあいいんじゃんって,読みゃあいいっていうか,書いてあるんだけど要約が。AIが答えとして引用してきた文があるんだけど,全部そこから引用すれば箔が付くじゃんって。引用文献,90件でも埋まってくるわって思った (AIが出してきた論文をその通りに引用して作られる論文の書き方の是非は別の問題だが)。

ニューロントーロン第1回「自分を『キモイ奴なんで』って言うのはなぜ?」文字起こし

 

脳波とMRIを愛する大学院生,たそがゲストを質問攻めにする企画,ニューロントーロン (問う論・討論)。第1回目のゲストは,虚無 (きょむ) さんでした。

 

たそ: 質問ガチ勢,悩んだときは変な大人に会いに行けがポリシー

虚無: 自分の害にならなければ何でも受容する柔軟性の鬼

 

空気のようなキモさ

あの,自分ってキモイ存在だと思うよねって話から始めたいんだけど。あなたは結構さ,「自分はキモイよね」って思うタイプじゃないじゃないですか。

思うタイプですね。

私も思うタイプなんだけど。あなたのね,自分「キモイ生き物だから」みたいなところはね,ちょっと普通よりも度が過ぎてると思うんですよ。

おう。度が過ぎている。許しちゃおけねえ。

許しちゃおけねえわけではないけど,ちょっとね,「自分キモイんで」マインドセットが,通常発動しすぎてるような気がして。卑屈じゃないんだけど,そんなネガティブなところから始めなくていいんじゃないかと思うんだけど。

なるほど。そんな常時パッシブスキルで発動してる?

だってこの企画をやろうとしたときに,「自分の声キモイから」とかさらっと言うじゃない。

や,それは事実。あ,こういうところか。

こういうところです。

や,もう,ね。敢えてそう思ってるとかではなくて,そういうものとして受け入れてるっていう。

 

キモイの目覚め

それは何歳からなの?

何歳から…?高校か大学くらいから。

じゃあ,あなたの経歴からさらうと,高校までは友達が普通に居て,その時期までは普通に友達を遊べるような感じだったんだけど…,あのこれはこの先もオープンにしていい情報なんですか?

ああ,別に,いいんじゃないですか。

その後,大学ストレートではないじゃないですか。そこらへんから,なんか,仲良かった友達と,連絡っていうのがなくなって,あれ,「自分友達おらんのやないか」みたいになってくゾーンに入っていくじゃないですか。

はいはい。

なんかそれと関係あるんですか,「自分キモイ」と思ってる前提は。そこでセットされたの。

いやあ,それはあんまり関係ないんじゃないかと。それはあんまり,それゆえにみたいな因果関係はあんまり感じてない。

自然発生的に偶然その時期にみたいな感じ?いつ気づいたの?「自分キモイなあ…」みたいな。

うーん,いつ気づいた…。難しいな。明確にいつから感じではないかな。

いやあの,最初ショックじゃなかったかなと思って。「自分キモイんだあ,ああ,そっかあ」みたいなショックなかったですか。

ショックではないかな。納得?腑に落ちた,みたいな。

腑に落ちた。納得?なんで?安心したの,何かに?

自分が…,なんだろ,マジョリティから外れてて,自分がまあマイナー側で,なんか人とはズレてるという前提に立つと,なんというか,これまでのやらかしとか,自分で感じる違和感とかを,説明がつく,辻褄が合うというか。

私はショックだったんだよね,私はショックだったんですよ,気づいたときに。

「自分がキモイ」っていう

自分が気持ち悪いと。

いや,あなたキモくないから。

いや,気持ち悪いんですよ。あのね,自分に対して無様で,気持ち悪いゴミのようなデブのブスの処女だって思ったときに,12歳くらいのときの話だけども。

早い,早い。

すごいね,もう何もできないような気がして。その後ね,村上龍読んだの。村上龍を読んだら,共生虫って本だったんだけど,自分の妹のことを「腋毛の生えてるような青臭い処女性」だったかな,そう書いてて。「あ,これ自分や」って思ったんだよ。そこで確かに腑に落ちましたわ。確かにね,自分を形容する病のような診断を,村上龍に文学的にバスッと文学的に言われて,「あ,私の病はこれだ」と,他人によって,「あなたの病は気持ち悪い処女であることです」みたいな,バシッと言われて,自分の病はこれだと腑に落ちる感じはあったんだけど,あなたの場合は漠然と思ったんですか?漠然と,「あ,自分気持ち悪いな」と思って腑に落ちたんですか?

まあ,そうねえ。たそさんでいうところの,その作者さんの作品を読んで,この人のこれを見て,これだ!みたいな。その瞬間にバシッとはまったみたいな感じではない。あったのかもしれないけど,今思い出せるほど印象に残ってないというか。

なんかさ,気持ち悪いという言語をね,その自分が気持ち悪いという認識,言語を獲得したのはどういう瞬間だったの?言語になるまではさ,自分の自信のなさというのはあったかもしれないけど,気持ち悪い,キモイみたいな表現に落とし込むのってなかなかなかったんじゃないかと思うんだけど。

ああ,そう…,いやーでも,そう言うと,今でも別にキモイとか,気持ち悪いっていう言葉に着地しとるわけではなくて。

そうなの?

単に,他の多数の人と比べると,自分は色々な点でズレているみたいな。

 

人間として何かズレている

それはね,私は滅茶苦茶あるよ。というか,ズレまくってるからね,私の経歴は。あなたがズレたのは,確かに高校卒業後からかもしれないけど,そのタイミングっていうのは,私としては,納得しやすいんですよ。

うん。いや,その,別に自分のズレは別に,高校卒業後とか,大学入った後とか,浪人とかそういう経歴由来のものではなくて,別に高校どこ入ってようが大学どこ入ってようが,浪人してようがしていまいが,そもそも持ち合わせている人格?人間性?性格?思考?みたいなものの部分が,そもそもズレている,一般からするとズレている。

何がズレてると思ったの?たとえば?

何がズレている…?何がっていうのも難しいね。それこそ,虚無。

虚無。実態はわからないってことは,言語になるまでさ,形のあるものになってないじゃない,なんとなーく,自信のなさとかさ,人と違う感じとか,同調してない感じとか,孤独感とか孤立感とかあると思うんだけど。そういうのが元からあったってこと?段々とわかってきたけどっていう…。

うーん… そうなのかなあ…。…わからんすね。改めて問われると,今でもまだ,そうきっちりと言語化はできてない。

 

キモイってなんですか?

キモイって言葉いつから知った?私小学4年生くらいからなんだよなあ。

えぇ,いつやろ…。中学?わからん,確かなことはわからん。

なんかね,人間とは気持ち悪いものだと思うんだよね。正直,粘膜があるものは総じて気持ち悪い。有機物はみな気持ち悪いんですよ,正直。だからセイのにおいがするものは気持ち悪いのよ。セイって,生きる方も性的な方も両方ですよ。気持ち悪いんですけど。その,私が言ってる気持ち悪いと,「自分はキモイ」の感覚がね,私とあなたが思ってるキモイというものがそもそも共通なのかということがわかんなくなってきて。

そうやね。

どういうキモイなんですか,改めて訊くと。

どういうキモイ…?自分の場合はこう,普通こういう局面ではこう動くでしょとか,こう言われたらこう思うでしょとか,そういう普通こうでしょっていうところからのズレ。ズレ?そこがズレるから,行動もズレる。

 

つまり自称コミュ障

行動はどうやってズレていくの?

言動といいますか。

何を返すかみたいな?

そこでそう動くみたいな…,挙動の違いよ,生きてて,生活する上での挙動の違い。

そんな違う?

そんな違う?そんな違わないんじゃないかと思う?

じゃあさ,昔のことは回顧法になるからさ,今のことを聞くとさ,今もまだその感覚はあるでしょ?「自分まだ普通の人と挙動違うな」と。どういう場面でそれを思うわけ?

どういう場面?仕事中とか?

お客様と結構話す,職業ですもんね。普通の人だったらこういう受け答えできるけど,自分はこういう受け答えできないな,みたいなことを思ったことがあるんですか?

そう… そうね。そもそも人と話す無理やしな…。

そうなの?ソツなくやってますけどね。

必死でそう見せているんですよ…。いやあ,まあねー,ここが違います,ここがズレてますみたいなのはちょっとわからんけど,でもなんだろうね,職場内で一日働いてて,第三者からそれこそ見たら,なんか,「こいつの挙動特殊やな…」みたいな。

そう言われたことがあるの?

いや,ないけど。

そう思われていると自分は思うみたいな,メタ認知的なところ?

そうねえ…。まず,落ち着きがない。ADHDみたいな。

落ち着きないか?

ないと思う。

注意があっちこっち行きやすいってこと?

行きやすい行きやすい。

まあ,だからこそ,色々並行に気にしながらやるゲームできるんだなと,確かにね,あなたが苦手だと仰るのであれば,その前提に基づいて言えば,器用なゲームを器用にしてますわ,あなたは。

あ,そう?

だから,注意があっちこっち行きながらっていうのは,上手いと思うんですよ。…で,後は?何が違うの?

 

答えられないアラサー

なんか,ロボットみたいに思う?違うか?なんか,自分が落ち着きがないと思うのは,ロボットではないか…。

なんでしょうね…。

じゃあ,何だと思う?あなたは,自分を動物に例えると何だと思う?自分のこと。

ああ~~それ一番苦手なやつ…。

そうなの?知らなかった。

そのねえ,なんとかみたいなっていう,比喩表現?例えば芸能人で言えば誰かっていう…。

ああ~~,芸能人はそうね,あなたは芸能人に明るくないし…。まあ,共感もてない感じはするよね,まあ,私も全然共感もてないんだけど,芸能人には。…じゃあゲームのキャラでいうと何なの?

ゲームのキャラ,あのね,ゲームのキャラ…。芸能人にしても,動物にしても,キャラクターにしても,キャラクターでいうと誰に似とるとか誰だと思うと言われると,いや,別のものじゃん,ってなる。

ああ,自分は自分。

自分は自分,あなたはあなた,そのキャラはそのキャラ,みたいな。

じゃあ,40%くらい重複するところがあるとすれば,何あなたは。

あははは,ええ~~…。

ベン図で描いたときに,その中央に40%くらい含まれるものは何になるの?

いやあ,それはまた難しいな…。だって,虚無やん。

じゃあ,虚無とあなただったら,本当の言葉としての「虚無」とあなただったら。何が共通してるの?

何が?何が共通してるんだろうねえ…。

 

ご想像にお任せします♥

じゃああなたってどんな人ですか?って訊かれたら,普段なんて答えてるの?

ふふ,まずそんなことを訊かれることが少ない。

でも私には結構訊かれるよね。

ああ…,なんか俺答えてるっけ?

虚無とかブラックホールとか言ってるじゃん。

いや,だからさ,あなたどんな人ですかって訊かれてもさ。「ああ~,どんなんですかねえ?」みたいな…。

ある意味この質問も,自分のバトルフィールドではないの?

ではない。

こういう質問を受けても,自分普通じゃないなって思うの?

ああ,まあそうやね。普通,多くの人は何かしら答えるでしょうね。

多分ね,まあ,色んな観点から自分とは何かというのを自分の観点から答えたりするなとは思いますけど。

それができない…。今も,訊かれて考える…,…考えたよ。考えたけど。何も浮かんでこない。

ああ,そうなんだ。

だから,考えるの好きっていうか,考えることに抵抗がない人じゃん,我々。

うん,そうだね。

だから,思考は巡らすんだけど。なんていうの,普段なんかさ,たそからどうしたらいいかなって言われたらさ,何かしら案を考えて言うじゃん。そういう,考えても,形になるものが,さっきの質問だと何も出てこないのよ。

 

お名前とご年齢をどうぞ

じゃあさ,普通の人だったらさ,あなたの思う普通の人だったらさ,たとえば,職場の誰かでもいいよ。誰か1人浮かんでみて,浮かんだ?

ああ,はいはいはい。

浮かんだ?じゃあ,その人だったらさ,自分どんな人ですか,例えると何ですかって訊かれたときになんて答えると思うの?

その人になったらってこと?

そう,その人になったら。もう完全に,自分の観点からその人を見たらじゃなくて,その人だったら,その人はどう答えるか?

ああ,なるほど。その人になりきってってこと。なりきったとしたら…。いや,でも…,そんななりきれるほどその人のこと知らんしな…。

知らなくてもいいよ,知らなくてもいいからさ,なんかこう答えそうだなみたいな,なんかある?

ああ~~…,ああ~,まあ,こう答えるだろうなはないけど,まあ,何かしら,こんな感じで答えるかなっていうのは,思う。

たとえば?

いや,たとえば…?ん…?

その人はどう答えると思うの?

どう答える…。まあ,知らんけど,こういうことが好きで,こういうのが趣味で…。

ああ…。でもそれは言えるよね,あなたも。

ああ…,まあそうやね。

ねえ,不思議だね。自分というものは,自己紹介としてさ,箇条書きみたいにしたら答えられるのにさ,自分ってどういう,例えるとなんですかとかさ,訊かれると答えられなくなるね,なんかね。

そう…そうやね。

逆というか,もうちょっと突っつけば,今思い浮かべた人も,自分を動物に例えると何ですかとか人から訊かれたとき,その人だったら何,どう答えそうみたいなのは浮かぶの?

ああ…,うーん…。どうかな…。ん~~~?

なんか不思議じゃない?他人だったら,こう答えるかもしれないなって思い浮かぶのに,自分に置き換えると,嘘でもいいから何かに例えろと言われたら,答えられなくなるんでしょ?

ああ,そうやね。いやいや,「しがないキモオタですよ」って言うくらいはできる。

いやいや,「しがないキモオタですよ」っていう,もうそこにもキモイっていう言葉が入ってるのがとても興味深いんだけど。

 

「自分,変な奴です」勢力の宣誓

「しがないキモオタですよ」って答えるのってみんなやってることじゃないのかなあ。私だってさあ,あなたはどんな人ですかって,たそさん何してる人ですかみたいに訊かれたら,「社会人と学生のしがねえ貧困の奴です」とかさ,答えるわけじゃないですか。だから,「しがねえキモオタです」っていうことはみんな言うと思うんだけど。割と普通なことやってるように私の目からは思うんだよな。でもあなたのマインドセットは,この話の一番最初にちょっと一回戻ってみると,あなたのマインドセットは,自分は気持ち悪いものだというものがすごい爽やかにさ,一瞬で返ってくるじゃん。

まあ,不変の真理。

不変の真理だと思ってるじゃん。常に現在形であるから…。

太陽は東から昇る。

太陽は東から昇るみたいなさ,絶対,現在進行形にはならないという。

The sun rises from east. みたいなね。

みたいなね。

まあそれくらいね,今ではもう,当たり前のこととして捉えてるから。だからもうさらっと言ってしまうんだと思う。

じゃあ,なんでそのキモイっていう概念に落ち着いたの?他の言葉はしっくりこなかったの?

うーん,だから,キモイっていう単語に別に限定してるわけではなくて。

他の言い換えをすると?

いやまあ,世間からズレてるはみだしっ子ですよみたいな。

はみだしっ子はねえ,三原順が描いた良い漫画ですからね,是非読んで頂きたいんですけども。

宣伝入りました。

是非読んで頂きたいんですが,はみだしっ子,つまり普通からズレてますよ,っていうニュアンスで言ってるっていう認識でいいですか?

まあ,そんな感じやね。

まあ,自分は変わり者ですよっていうことね?

 

少なくとも常識人でないんだという諦観

それはね,私も普通にある。あ,なるほど,なんか腑に落ちた。私もね,変わり者ですよ,変な奴ですよ,変な大人ですとはいっぱい言ってますよ。特に職場とかでね。

コメント: 普通とはなんですか?

普通とは何,そう,それが言いたいの私。この虚無にね,ずっと訊きたいの。すごいいい指摘してくれたんだけど,普通とは?みたいな。ずっと聞きたいの私,あなたが思ってる普通って結構みんな…,普通じゃないよ…?っていうこと私言いたいの。

なるほど。

だから,みんな自分変わり者ですって人結構いると思うけどな。

じゃあ,まあそれで,いいんじゃない。

でも,腑に落ちてないでしょ,今。

腑に落ちてないというか,別に,俺は最初から何も思ってない…。

いやあ,なんか不思議なんだよ。考えれば考えるほど私は不思議なんだ。なんかね,まあ,私の場合は,自分のこと変わってるって思うのは,経歴が人と違うというところで,はみだしっ子ですよ,変わってますよ,脱線してますよとかよく言うんだけど。あとね,悪目立ちするよね,なんかね。目立つのよ私,日常生活で。目立つんですよ,だから,目につく奴です,浮いてますっていうので,変な奴ですってよく使うんだけど。あなたの言う,変わってますって,まあ人それぞれあるわけじゃん,自分変わってますっていう,変な奴ですって自称するときは。あの,虚無さんの場合は,case by 虚無のときは,何を思って自分は変な奴ですって言ってるの?

何を思って…?何を思ってるんだろうねえ…。

何か自分は変な奴です,はみ出し者ですみたいな認識はあるんでしょ?

そりゃまあ。

なんで?さっき私さ,私こう思ってますって先に言っちゃったからよくないんだけど,私が自分のこと変わってるって言うことに対して,ネガティブイメージはありますか?虚無さんは。

ん?たそが自分は自分は変わってるって?

たそが,自分は変わってる奴ですよ,変な大人です,変な奴ですって言ってることに対して,ネガティブイメージはまずありますか?

いや,特に。それは,俺がネガティブイメージを持つかっていうこと?いや,持ってない。

 

「自分,普通の奴です」勢力の台頭

なるほどねえ。私はね,あなたが自分は変な奴ですって言ってるのであれば,それはあるよなー,それは,アリアリのアリだよなーって私のなかで思ってるんですよ。…で,ここで今第三勢力が今発生してて。

コメント: でも自分が人とズレてるっていう感覚をもつのもおかしく思うけどね。

ズレを自分で認識しているということがおかしいと思うけどねって?

そう,第三勢力がここで発生している。だから,私と虚無さんについては,自分は変だなあと思ってるのが当たり前な人種じゃない。このコメント主の方は違うのよ。

それは,ズレてるっていうのがそれが自分のスタンダードだから,ズレだと認識しないだろうってこと?

いや,多分そこまでは言ってないんだけど。多分自分は平均というか,普通の人だよな,凡人だよなって思う勢力だと思うのね,私はこのコメントを読むに。コメント主の方どうですか?コメント主の方普通の人?自分は普通だと思ってる人ですかコメント主の方は。

コメント: 普通だと思ってる人間です。

ちょっと,人種っていうか根元の問題,根本の自己認識の問題だと思うんだけど,この違いは。じゃあ,なんで自分は普通だと思うの?

 

WHYは人を追い詰めうる

…結構,なんで?って理由を求められたら,結構答えるのに窮する人は多いと思う。

ちょっと苦手な,「なんであなたは自分が正しいと思ってるんですか?」くらいのニュアンスで届いちゃう?私は全然そのつもりはないんだよ,説明しづらいけど。

別に詰めとる訳じゃなくて。

別に詰めとる訳じゃなくて,その思う理由はなんですかって。

シンプルに理由があればってことね。

そうそう。どうして?って。どうしても何故と同じニュアンスかなあ。でもまあこのコメント主の方には伝わってる。大丈夫。この方はね,メンタルがね,あなたと同じくらい柔和なんで。

いいですね~。

ちょっと似てるんですよ,この方とあなたは似てるのよ。

シンパシー。

シンパシー。ちょっと似てるんです,私から感じるにね。まあ,自分は普通の人間です,凡人です,凡人っちゃ凡人。なんていうか,人と優劣で見るんじゃなくって,まあありふれた人間ですよっていう勢力と,自分ははみだしっ子ですって思う勢力があることがここでわかったんだけど私は。

ということは他にもこう,俺こそがスタンダードだっていう,これぞ我が覇道って人も居るんやろうね。

居るんやろうね。まあ,このコメント主の方は,訊かれたら普通だけど,俺普通だけどっていう立場だと思うんだよ,私の勝手な妄想だけど。でも,多分虚無さんが言ったのは,「俺が平均値じゃーい!」みたいな感じの,積極的な平均値だと思ってる勢力がいるっていう話?まあ,なんかまだまだ居そうだよね。自分のことを平均だと思うか,変わり者だと思うか,ちょっとtwitterでアンケートとってみてもいい気がするなこれ。ちょっと統計とってみましょうかね,そのうち。

※投票お待ちしております※

 

あーおもろい。

なかなかね,いや,人によって前提が全然違うんだなということを思い知らされますよ。

そうね。

 

認めちまえよ,楽になるぞ

なんか不具合ある?「自分変わってます」,「自分普通です」って。まあどっちの勢力でもいいんだけど。不具合ある?自分は変わってる人間だ,または普通だと思ってる人間だと思ってることによって,生きづらさってありますか?

ああ~~…,むしろ減った。

ん!?

むしろ減った。

そうなの!?

かなあ。最初の方で言った,自分がズレてるんだっていう,自分が変わっているんだという前提に立てば,色々とまあ,説明がつく。自分が一般ピープルですよと思ってたら,じゃあなんでこんな上手くいかんのみたいな。そういうズレ。

普通の人やったら,もうちょっと上手くやってますよと。

そうそうそう。普通平均的な人だったら,普通に人間関係とか人とのやり取りとかも,普通これくらいするでしょう,なんでそれできないんじゃんみたいな。こういうズレに,ズレっていうか齟齬に苦しむ割合がね,減ったというか。

 

はみ出すのにもセンスが要る

コメント主の方がね,さっきの,「自分が人とはズレてるという感覚のもおかしく思うけどね」っていうのに対して説明がね。

コメント: 世の中は,箸を持つのは右だよねって意見が多いけど,それはあなたが右だからそう思うわけで,左で持ってるから普通じゃないという感覚は違うと思う。

まあ,ちょっと二者択一的な意見ですけどね。

そりゃそう,そりゃそうだと思う。

でもなんか,我々の感覚アレじゃん。決まったレールというものがある程度の大きさの幅を持ちながら伸びているとして,大部分の人はそこに収まるはずなのに,なんか我々はみ出てる感覚しませんか?っていう,そういう感覚じゃない?

まあ,そうねえ?

だから,右か左かじゃなくて,大部分の人は生まれつき右利きに生まれてくるはずなんだけど,なんか,後ろ利きになっちゃったぞ?みたいな,とんでもねえ方向にはみ出してんなっていう感じじゃないですか?

そう…そうなのか?

膝関節後ろに生まれてくる人間のような気持ち。いや,わかんないけどちょっと。なんかさ,右左の選択肢すら飛び越えてるような気がするんだよね,私はね,個人的にね,自分のことを。右左の議論にすら立ってない気がするんだよ。

ああ,俺も確かにまあ,箸を右か左かで言いよるところを尻目に,トング使って食べてます。

ああ,なるほどね,いい例えだと思う。トング使って食べるもんじゃねえだろみたいなところもあるしね。

だからそれを見た右派からも左派からも眉を顰められる。多いとか少ないとかじゃなく,「何だあれは!?」みたいな。

「なんだあれは!?」

数の多い少ないとかの問題じゃなくて,「何をしてるの?」みたいな。

それぐらい外れてる感覚が私はしますよ,虚無さんはしますよって話なんですけども。まあ,ズレてるズレてないの二者択一にすると,確かにね,差別的というか優劣で考える話になっちゃうと思うんだけど。「なんだあれは!?」みたいな感じの…。

俺としても,普通っていうのを良い悪いじゃなくて,二元性の普通をね,良いとか悪いとかの尺度じゃなくて,なんかこう,話してたり接してたりして,なんか自分に対して違和感を感じてしまうだろうなと,別に悪いことじゃないんだけど,良い悪いじゃないんだけど,どっちが良いとか悪いとかの話じゃないんだけど。

なんか,文化?

思想?

 

続・トングユーザーの扱い

箸をいかに右手で綺麗に持つかみたいな価値観があるような社会の中で,インド人みたいに手で食ってますみたいな,不浄な手だから左手は使ってませんみたいな,こだわりもあるみたいな。

個人的には,その人はそうなんじゃないっていう…。

あのさ,今言ったじゃん。「個人的には,その人はそうなんじゃない」っていう。あの,コメント主の方がね,今さっきね。

コメント: 僕はそう思わないけどな。

だからね,変に思わないよって。僕は変だと思わないよって言ってるんだよ。トング使って食べてても僕は変に思わないよって言ってくれてるんですよ。

おお,なるほど。

その感覚あなたにもあるよな?って今思ったんだけど。

いや,あるよ。別に,トング派を変な例として挙げたんじゃなくて,なんだろう…。

だから,変な人を変だと思わない人もいるっていうことよ。しかも,僕は普通ですって言ってる人の立場からさ。

うん。

良い悪いの話はもう別の話だからちょっと置いといてさ。全然あなたはそんな特別変わってる異端のものとは思わないよっていう。

ふふ。そう,なるほど。

そういうことに繋がってくると思うんだよね,コメント主の方の立場は。

なるほどなるほど。それはね,そう思ってもらえたら,有難い。

ただ,私の,あなたが俺は「自分のことキモイと思ってるから」ってさらっとフラットに言ってくるときに,いやそうでもないよ?って思う感覚と多分共通なんじゃないかなと思うんだけど。

そう,それならそれでいいじゃない。不利益は生じてない。

コメント: むしろ興味が湧きます。

お。あざす。

トング使ってる人は,興味が湧くんですって。

そういう人はね,そういう風に見てくれる人はね,大切にしていきたい。

大切にしていきたいね。是非ね,良い悪いでしか話せない人も絶対いるので。

 

迷惑はキモイという図式

でも,なんか私は,あなたが「自分はキモイ人間なんで」って言う度に,キモイっていうことを良い悪いの路線で使ってるって思って,そこまで卑下することはないんじゃない?っていう感覚はあるよね。

ああ,なるほど。あ,でも,俺が自分に対して言う場合に限り,確かに,ネガティブイメージは含んどる気がする。

そうなんだ,自己否定感みたいな感じ?

そうそう。これはね,多分その何が良い何が悪いとかいう尺度じゃなくて,これまでの生活とか人生のなかで,実際に生じた不利益?他人にかけた迷惑とか?そういう,実際に生じた不利益を根拠として,ただ変わってる自体は別にいいのよ。それがその人なんだから。だけど,自分の場合はそれゆえに色々迷惑かけてるよねっていう。

そうなの?まあ,実際そうかは今置いておこう。

そういう,実利的なというか,実際の利害,他人,周りを含めた利害として,考えると,まあなんか,自分に限っては,悪いはみ出し方をしてそうだなみたいな。そういう…

そういう付加価値が付いた,「自分キモイので」っていう?

コメント: それは自分にとっての普通なんだから,他人にとっては気にしないでいいと思う!

まあ,気になるというか,どうしても付加価値で付いてくるから,ネガティブイメージが付いてくるんじゃないかなと勝手に私は思ったんだけど。確かにね,私,自分キモイ奴だとは思ってるけど,「自分キモイんで」って言う時のイメージはネガティブだね,人に対して言う時はね。でも,自分変な大人なんでって言う時のイメージは,ネガティブなイメージは全くないですね。

あー,なんかわかるわ。自分変わり者ですって言う時のイメージは,変わってるけど,変わり者ですよっていうニュートラルなイメージなんよ。でも,一方で,「自分キモイんで」って言うときは,自分はまず変わってて,変わり者で,それがゆえに,何らか周囲に対して何らかの不利益を生じさせちゃってます…。…すいません。みたいなね。申し訳なさ,卑屈感があるというね。

 

窮鼠,自己を噛む

なるほどね,卑屈感…。あの,心理学用語でセルフ・ハンディキャッピングっていうんだけど。いかに速く計算ができるか競って下さいっていう課題を出されたときに,一人の人はじゃあやりますって言ってやるんだけど,もう一人の人は事前に,「あの,ちょっと今日腕痛いんで…」って言ってから始めるのね。

ほうほう。

まあ,セルフ・ハンディキャッピングをやってる人なんですよ,後者の人は。自分でハンディキャップを事前に言ってから始めるというね。そういう人に対する印象は,前者の人よりもちょっとマイナスになるわけです。言い訳を最初にしてるみたいなね。ただその言い訳をすることによって,その計算課題の成績が最後悪かったとしても,腕痛い所為にできるからっていう利益があるわけですよ。

なるほどなるほど。

だからね,予防線みたいな感じなんだよ。使い方としてはね,ざっくり言うと。

はいはいはい。

だから,「自分キモイんで」って,最初私に言ったよね?あなたはね。あなたは最初から言ってますよね。

言ってますね。

言ってますね。最初に言うことによって,自分をセルフ・ハンディキャッピングをして,

コメント: 保険をかける。

そう,そういうこと。セルフ・ハンディキャッピングは保険をかけるってことなんですよ。で,虚無さんの場合は,最初に私に「自分キモイんで」って言っておくことで,何か私に失礼があってもお許し下さいみたいなことを言ってるんじゃねえかという。

ああ~~~~…。ある。

ある?

あはは…。…それやで,それやで工藤。

それやで工藤。

んふふふ…。

どうですか?

それはあるんじゃない…,自分の心理的に…。絶対粗相するもん。絶対粗相するもん。

私は別にあなたに粗相を感じたことは何もないけどな…。

そうですかぁ…?…それなら,まあ今のところいいんですけど…。

今のところいいんですけどもさあ,これからするかもしれませんすいませんって意味あるよねえ!?

あははははは,違えねえ。やべえ,もう,一歩も動けねえ。

あははははは。

四方八方,もう,どのマスに一歩はみ出しても,地雷が埋まってそう。

いやいやいや,地雷じゃないんだよ。地雷じゃない。粗相してもいいんだけど,そこに申し訳なさを感じるっていうのが,あなたの癖なんじゃないかっていう。

コメント: 八方塞がり。

四面楚歌,四面楚歌。

四面楚歌,それ。

四面楚歌でございます。だから,あなたは人に失礼を働くことにとても怖れがあるんじゃないかなあと,なんか今思いました。

ああ~~そこか。…いや,あるな。…あるな。…あるねえ…。

 

辞めれるものなら辞めている

そうね,失礼はまあ勿論あるけど,失礼に限らず,相手の気を悪くするくらいなら,リスクを冒さず黙っとこう,みたいな。

でも,黙っとこうだったら何も言わんのよ。黙っとこうじゃないのよ,やってることが。

じゃないか?じゃないね?

ちょっと,最初にマイナスなことを言っておいて,後でマイナスなことが生じても,帳尻合うように保険かけてるっていうシステムがある気がするんだよね。

コメント: 実際に気を悪くさせた経験があるんかな?

それは,回顧的にはあなたはあると思ってそうだよね?

ある…ある…あるでしょう,あるね。…ありますね。

だから,私の今の興味としては,相手の気を悪くさせるくらいなら黙っとこうと思うなら何も言わず計算課題を始めればいいものを,あなたは「腕が痛いんで」って言っている人ですよっていう。それはなんでですかねー?どうしてかなー?というのが今の不思議です。

 

シーユーアゲイン,マイゴースト

なるほど。

まあでももう1時間話したんで。

まじで!?早ない?もう1時間!?

なので,一旦ここで,あなたが得たひらめきというか,あなたが思ったことを一言で言ってもらうと,どんな感じでしょうか。

おお,一言でいうと?ええ,これまた,苦手なやつ…。ああ~~…ああ~~~…。じゃあ,自分は…怖れていたのだなあ…。

なんかね,ちょっと私も腑に落ちましたよ。

怖いんだな…,怖いのさ,カイジ君…,怖いのさ…,君は敗北が怖い…。なるほど,いや,あるな,それは。怒られたくない,がっかりされたくない,そんなね,そういうところはあるな…。